(PHP 4 >= 4.1.0, PHP 5)
COM — COM クラス
$obj = new COM("Application.ID")
COM クラスにより、OLE 互換の COM オブジェクトのインスタンスを作成し、 そのメソッドをコールしたりそのプロパティにアクセスしたりすることが 可能となります。
COM クラスのコンストラクタ。 パラメータには以下のような意味があります。
server_name が配列の場合、以下の要素 (大文字小文字を区別します!)を含まなければなりません。 これらはすべて省略可能であることに注意しましょう (とはいえ、Username および Password は両方指定する必要があります)。 もしサーバ設定を省略した場合は(上で説明した)デフォルトのサーバが 使用され、オブジェクトの生成は 実行時設定 ディレクティブの影響を受けません。
server_name のキー | 型 | 説明 |
---|---|---|
Server | string | サーバの名前。 |
Username | string | 接続するユーザ名。 |
Password | string | Username に対するパスワード。 |
Flags | integer | 以下の定数のうちのひとつまたは複数の論理和。 CLSCTX_INPROC_SERVER、 CLSCTX_INPROC_HANDLER、 CLSCTX_LOCAL_SERVER、 CLSCTX_REMOTE_SERVER、 CLSCTX_SERVER および CLSCTX_ALL。指定されていない場合の デフォルト値は、Server を省略した場合が CLSCTX_SERVER でサーバ名を指定した場合は CLSCTX_REMOTE_SERVER です。 これらの定数の意味についての詳細な情報を得るには、Microsoft のドキュメントで CoCreateInstance について調べましょう。 通常はこれらを使用する必要はないはずです。 |
返されるオブジェクトは、オーバーロードされたものです。つまり、 PHP 側では通常のクラスのメソッドは見えないということです。 その代わりに、プロパティやメソッドへのアクセスは COM を通じて行います。
PHP 5 以降では、参照渡しのパラメータを受け付けるメソッドを PHP が 自動検出するようになりました。それらのメソッドについては、PHP が自動的に 変数を参照渡し形式に変換します。つまり、メソッドのコールをより自然に 行えるということです。コードの中で特別な処理をする必要はありません。
PHP 4 では、パラメータを参照渡しする場合には、そのパラメータをラップする ために VARIANT クラスのインスタンスを生成する 必要があります。
PHP 5 より前のバージョンでは、以下のようなメソッド名を COM に渡すことが できず、直接 PHP で扱うことができないというあまりうれしくない出来事が ありました。PHP 5 ではこれらを解決します。スクリプトの修正方法に ついては以下の詳細を参照ください。これらのマジックメソッドの名前は 大文字小文字を区別しません。
COM オブジェクトの参照カウントを作為的に追加します。
このメソッドを使用することはまずないはずです。 これは、以下で説明する Release() メソッドを論理的に補完するものとして 存在するものです。
COM オブジェクトの参照カウントを作為的に削除します。
このメソッドを使用することはまずないはずです。 これは、COM オブジェクトが必要以上に動作を続けてしまうというバグに 対応する方法として PHP に存在するものです。
以下の疑似メソッドは、 com_isenum() が TRUE を返す場合のみ利用可能で、この場合、これらのメソッドは、 通常は COM オブジェクトにより提供される同じ名前を有する全ての メソッドを隠蔽します。これらのメソッドは PHP 5 では完全に廃止されています。 代わりに For Each を使用してください。
10 の要素を保持する SafeArray を表す variant を返します。 個々の要素は empty/null の variant となります。この関数は イテレータからの全ての要素を含む配列を返すことを想定していますが、 決して完了しません。使用しないでください。
イテレータの次の要素を表す variant を返します。要素が もうない場合には FALSE を返します。
イテレータの前の要素を現す variant を返します。要素が もうない場合には FALSE を返します。
イテレータを最初の場所まで巻き戻します。
例1 COM の例 (1)
<?php
// word を起動します
$word = new COM("word.application") or die("Unable to instantiate Word");
echo "Loaded Word, version {$word->Version}\n";
// 前面に移動させます
$word->Visible = 1;
// 空のドキュメントを開きます
$word->Documents->Add();
// 何か複雑なことを行います
$word->Selection->TypeText("This is a test...");
$word->Documents[1]->SaveAs("Useless test.doc");
// word を閉じます
$word->Quit();
// オブジェクトを開放します
$word = null;
?>
例2 COM の例 (2)
<?php
$conn = new COM("ADODB.Connection") or die("Cannot start ADO");
$conn->Open("Provider=SQLOLEDB; Data Source=localhost;
Initial Catalog=database; User ID=user; Password=password");
$rs = $conn->Execute("SELECT * FROM sometable"); // レコードセット
$num_columns = $rs->Fields->Count();
echo $num_columns . "\n";
for ($i=0; $i < $num_columns; $i++) {
$fld[$i] = $rs->Fields($i);
}
$rowcount = 0;
while (!$rs->EOF) {
for ($i=0; $i < $num_columns; $i++) {
echo $fld[$i]->value . "\t";
}
echo "\n";
$rowcount++; // 行カウントの加算
$rs->MoveNext();
}
$rs->Close();
$conn->Close();
$rs = null;
$conn = null;
?>